金型の構造は大体二つ割の型が多く用いられています。この型は左右の型が平行に移動して開閉する金型で、構造は大別して、ベース本体・ストライカープレート・首部(インサート)・底部(インサート)から出来ており、その他に型合せガイドピンおよび各ブロックごとに水冷用の孔または溝などがつけられています。
本体部の材質は一般に鋳物、アルミニウム合金等が多く用いられています。その他ストライカープレート、底部インサート部分は喰い切り刃等をつけてバリを切らねばならないので、特に鋼のような強度のある材質が用いられています。
上記の構造の金型を対で使用し、樹脂ボトルを成形します。ガイドピンは片側のみ。対となる金型には、ピンを受けるための凹みが設置されています。
【ダイレクトブロー樹脂ボトルの成形】(バリ取り機構の無い金型の例)
1、開いた金型の間にパリソン(ボトルの原料)を押し出す。
2、金型を閉じてパリソンを挟みカッターで切る。
3、マンドレルを下ろしながら圧縮空気を吹きパリソンの切り口を開く(予備ブロー)。
4、マンドレルをパリソン内に差し入れ、圧縮空気を吹き込んで成形する。その後、樹脂冷却時間を置く(秒単位)。
5、金型が開いた後、マンドレルが上昇し、ボトルが取り出される。例はバリ取り機構の無い金型のため、余分のパリソン(バリ)が付いています。
6、ボトルをマンドレルから外し、最後にバリを取り除いて完成です。上記を繰り返して容器を量産します。
今回はわかりやすいよう、基礎的な金型構造でブロー樹脂ボトルの成形手順を紹介いたしました。実際の現場では、バリ取り機構が備わっているものや、効率よく冷えるよう水冷ドリル孔を工夫した物など、様々な金型が使われています。
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